自分の意見を持てないという状態を脱するには?

コミュニケーション

自分の意見を持つことが大切である。感度が良いあなたが、そういう空気をすでに感じていると思います。

ネットであろうが、会社であろうが、プライベートであろうが、自分の意見を持たず、自分の意見を言えない人は何も得るものがない。自分の意見を言える人が勝ち取っていく。そういう場面を幾度となく目にしてきたのではないでしょうか?

実際、意見を持つと言うのはそういう性質があります。

意見を言うとは立ち位置が明確にすることを意味します。立ち位置が明確になりますから、賛同する人が出てきます。仲間やファンが増えていきます。その結果、大きなうねりが生まれたり、素敵な人間関係が生まれたりもします。

自分の意見を述べた事が起点となります。

では、自分の意見を述べれるようになるには?という視点で、どうすればいいのかという事をまとめてみました。

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意見とは何か

意見とは何かの定義は難しいと思います。

難しいのですが、僕はちきりんさんの定義する”意見とは立ち位置を明確にするもの”という考え方がとってもシックリきています。

合わせてちきりんさんはこうも言っています。「意見と思っているものの多くは反応です。反応は意見ではありません」。例えば、ある意見に対して「そうそう」とか「違う」といったものは反応です。

この意見と反応の違いを明確にして、自分は意見を言うんだ!つまり立ち位置を明確にするんだ!ということを意識することが意見を言えるようになる第一歩なのかな…と思っています。

意見が成果を生む

意見を生むことが、あなたの望む成果を手に入れるための起点になり、スタート地点になり、スイッチにもなります。

一番わかりやすいのが恋愛です。「あなたの事が好きです」と伝えたところから、その恋愛はスタートするのではないでしょうか?結果はどうあれ、です。伝えたことで始まりますよね?

これは恋愛に限りません。「自分は○○です」「自分は○○がしたいです」と表明したことにより、賛同する人が出てきて、大きなエネルギーになり、物事が前に進んでいきます。意見を明らかにすることがスタートです。

つまり、意見を生み出せる人は、それだけ多くの成果を手に入れることができるようになるということです。

豊かさの扉を開けるためのカギが”意見”だと言ってもいいんじゃないかな?と僕は思っています。

意見の種類

意見を言えるようになるには、まずは意見には何があるのかを整理しなくちゃ!ってことで、僕が思う意見についてまとめてみました。

意見には大きく分けて次の5つがあると思っています。

  • 好き嫌い:それが好き、あれが嫌い
  • 良し悪し:それが良かった、あれが悪かった
  • 善悪:それは善い事、あれは悪い事
  • 正解不正解:それが正解、あれは不正解
  • 最適解:これが一番良い選択肢

この5つです。この5つの中の自分なりのいずれかを表明することが”意見を言う”という事だと思っています。

そして、この5つの意見を次の3つの軸で分類していくことで、どれを言うべきかが見えてくるんじゃないかな?と思っています。

意見の分類軸

理由の有無

その意見に対して、明確な理由を求められるのか否かです。

意見には理由はありきですが、理由の必要度は意見に種類によって違うんじゃないかな?と思っています。

複数回答可能か

その意見は、他の意見の存在をどの程度認めることができるのか、です。

例えば、好き嫌いは人の数だけ違っていてもいいんじゃないかな?と思いますが、正解不正解の正解は原則1つです。このような意見の幅は、明確な根拠の有無にも繋がってきます。

調査・思考の有無

その意見を出す上で調査や思考が必要となるのか、必要となるならどの程度必要なのか、です。

この類の意見を求められた場合、即座に答えられなくて当然です。逆に、この類の意見を普段から自分の中で多く持っておくことができれば一目置かれる存在になってくるはずです。

意見の分類表

理由 複数回答 調査・思考 難易度
好き嫌い とても簡単
良し悪し 簡単
善悪 普通
正解・不正解 × やや難しい
最適解 〇~× 難しい

5種類の意見を3つの分類軸を用いて難易度付けをしてみたのが上記の表です。
これを踏まえて、各意見について少し解説をしたいと思います。

好き嫌い

好き嫌いは最も簡単に出せる意見の1つだと考えています。

まず、好き嫌いに理由は不要です。好きだから、嫌いだからという一言で理由としては成立します。もちろん、そこからさらに「どこが好き?」「どこが嫌い?」といった質問を重ねて深堀りすることもできますが、理由がなくても意見として成立します。

また、好きや嫌いは統一されてなくても問題ありません。人の数だけあってもいいものですから、誰かに合わせる必要もありません。素直に好きか嫌いかだけを言えばOKです。当然、調査や思考をほぼ必要ともしません。

ですから、好き嫌いという意見を表明するのは”簡単”だと位置づけることができると思っています。

良し悪し

良し悪しも簡単に出せる意見の1つだと考えています。

良し悪しは個人の価値観に根差すものですし、常識の範囲内に収まることが多いものでもあります。なので、理由や根拠に多くのことを求めないという側面があると考えています。「これどう思う?」に対して「良いと思います」これだけで十分に成立してしまいます。

また正解がなく、人の数だけ意見があります。

ただ、それだけでは反応の域をでません。意見として成立させるには、その良し悪しの理由や根拠を付け加えることができるのかどうかです。なぜ良いと思うのか、なぜ悪いと思うのかを説明できれば立派な意見となります。

なので、比較的簡単ではありますが、理由を明確にしなくちゃいけない分、やや簡単な部類の意見になってくると思っています。

善悪

善悪という軸の意見があります。これも比較的日常の中で多く出会う意見だと思います。

それは善い、それは悪い。常識や価値観、モラルといったものに照らしわせて、それに見合っているのか否かをジャッジしたもので、わりかし普通に使いこなしていると思います。

ただ、この善悪軸は結構曲者で、良くも悪くも意見で人間を縛り付けてしまうことになります。

例えば、「男ならおごるのが普通」というのは価値観で縛った善悪意見ですが、これには何の根拠もありません。根拠を探せばそれなりのものがあるのかもしれませんが、多分、探らないほうが平和です。

でも、「男って○○すべきだと思います」と言うと、それなりの意見としての通用してしまいます。

正解・不正解

これもよく使っている種類の意見の1つです。正解・不正解軸の意見です。

男性同士の会話だと、結構飛び交っている類の意見かもしれませんが、この意見は扱い注意です。なにせ、正解を言えばいうほど、それ以外は不正解というニュアンスを押し付けることになるからです。

上記の善悪の意見と共通してもいますが、例えば、「男性ならおごるべき」という意見を用いると、それはそうするほうが男性として善い行いであると言う意味を持っていますし、同時に、それが男性としての正解となります。

つまり、それ以外は不正解なのです。だから、おごらないという選択肢は間違っているよねというニュアンスが含まれていますが、このような価値観の押し付けはされる側は不快に感じるものです。なので、衝突の種になることが多くあります。

最適解

一番難しいのが最適解です。そして、一番価値があるのもこの最適解です。最適解とは、正解はない問いに対して、これがベストであろうとする意見を指します。

正解がある問いの場合は1つしか答えがないので、ある意味ではシンプルで明確です。しかし、最適解は答えの数が1つではありません。複数あります。何が正解かはわかりません。たいていは過ぎてみるまで答えが出ません。

例えば「人生の分岐点でどのルートに行くのが良い?」と言う正解のない問いへの、合理的かつ精度の高い意見が最適解です。経営者が会社を今後どう進めていくべきか?と考えて出す答えも、この最適解です。

そのようなものを打ち出すには当然理由が必要で、その理由を持つためには調査も思考も必要となります。

視座の高い問いに対する合理的な意見を持とうとすればするほど、それらが必要となりますので、最も難易度が高い意見であると位置づけることができると思っています。

意見の使い分け

意見を5種類に分け、そして、3つの軸で難易度をつけて分類しましたが、これには理由があります。それは、「意見の使い分け」をするためです。

僕の感覚では、意見を言うことに躊躇がある時は「どの意見を言うべきか」に迷いがある時だと思っています。言い方を変えると、ある程度想定していない時に迷いが生まれると思っています。

つまり、どの意見を言うべきかをある程度想定し、必要なら準備をしておけば”意見を述べる”ことへのストレスや不安や苦労は軽減できると思っています。

例えば、次のようなことを事前に想定しておくことである程度の対応が可能になってくると思っています。

無難な意見を述べるには

無難に意見を述べたい時には「好き嫌い」と「わからない」の2つで対応することを基本戦略にすることだと思っています。

「好き嫌い」軸の意見は、理由や根拠を求められることがあまりありません。なぜなら「好きだから」「嫌いだから」が理由になるからです。

例えば「アクション映画が好きかな」と意見を言って「どうして?」と問われたとしても「ああいう映画が好きなんだ」と答えれば、もう立派な意見です。

好き嫌いで答えられない時は「わからない」と答えておけば、ある程度の場面は対応できるはずです。

「XXさんについてどう思う?」と問われても、「好きでも嫌いでもないというか、よくわからないんよね・・・」と答えればそれでたいていOKです。

気を付けるべき意見

意見を述べる中で気を付けるべき類のものがあります。それが「正解不正解」や「最適解」の意見です。正しいと主張する意見は、同時に正反対の意見を正しくないと批判否定をしていることにもなります。

正解を述べるのですから明確な理由やわかりやすい根拠が不可欠になってきますが、それも正反対の意見を徹底否定することになりますので、どうしても衝突を生んでしまいます。

正解不正解や最適解のような1つの椅子の取り合いをするような意見を述べる時には、そこに衝突が起きるかもしれないことを覚悟して延べなくてはいけません。

逆に言えば、自分自身の意見を徹底否定されて誤りや浅さを認めざるを得ないこともありえますので、それらの意見を述べる時には相応の準備と覚悟を持って述べないといけません。

そういうなのが苦手な場合は、「正解不正解」や「最適解」の意見を述べないようにすることも1つの戦略です。

最適解を持つ練習をする

意見を述べる上で最上級の意見とも言えるのが「最適解」です。答えがないけどこれがおそらくベストの選択だろうな…というものを、根拠を持って断言できる意見です。

これを日々生み出す練習をしていれば、意見を求められても大抵のことは対応ができると思います。

その理由として大きいのが、最適解を出す時には少なくとも二人称視点、場合によっては三人称…と多くの人称視点での調査や思考が必要となるためです。そのような多角的な視点で一つの物事を見る練習をしていれば、今の自分が求められている意見をアドリブで出しやすくなります。

例えば、相談されたときに、相手は何に苦しんでいて、どうなりたいのか。それに関係する人は何を思って、どうしたいと思っているのか…といった多角的な視点で物事を見ることができれば、「今こうするほうが良いと思うよ」って意見に独自性が生まれますし、説得力も生まれてきます。

また、単純な意見を求められただけだとしても、「ここは自分の思っていることだけを言えばいいのか」と判断しやすくもなりますので、意見を間違えにくくなります。

最適解を持つ練習をしていれば、意見を述べる場面で対応可能です。

相手の傾向を見極めて対応するための材料にする

意見の種類があり、それぞれに特徴があると分かってくると、相手が何を求めているのか、どれを好んでいるのかということが見えてきます。

例えば、議論が好きな人、会話でアドレナリンを出したい人は、二者択一を決める会話を好みます。正しい、間違っている、AかB!のような議論です。(某ひろゆき氏の会話ですね)

こういう会話が平気だったり好きな人なら良いのですが、苦手な人は、二者択一の会話を好む人から距離を置くというのも1つの方法です。中には二者択一が好きだけど論理的じゃないので論拠を示しても理解できない、受け付けてくれないなんてこともあったりすると、ひたすら面倒ですしね。

楽なのは「好き嫌い」や「良し悪し」ぐらいの緩い意見の交換ができる相手ですし、その部分が合う人は一緒に居てラクチンなので、「好き嫌い」や「良し悪し」の会話を好む人と一緒に居るようにすると、人生の充実感が高まると思います。

このように、相手がどの意見を好むタイプかを見極めると人間関係の距離感をコントロールするうえでもとても役立ちます。(意見を出すのが苦手な人は、会話している相手の傾向が合ってないだけじゃ?とか思ったりもしています)

自分の意見を作れるようになる3段階

意見にはいくつかの種類があるということが分かったところで、では自分の意見を作るにはどうすればいいのか?ということについて、僕流の方法論を最後に書きたいと思います。

好き嫌いを明らかにしていく

まずは”好き嫌い”を述べる練習をするのが第一段階です。意見を言いにくい時は、自分自身の好き嫌いですらも自信をもって言えない時なんじゃないかな?と思うんです。

ラーメンは何が好き?と問われて、周りが「とんこつ」と答える中で「自分は塩」と答えることができないという感覚です。自分は塩が好きなら塩と答えていいし、理由なんかなくてもいいんです。好きなものは好きでいいんですから。

好き嫌いを言えればそれは意見を言えたのとほぼ同じですから、ここができれば80%は達成です。つまり合格点だと思います。

理由を考える

次の段階が、理由を考える、です。なぜだろう?と。

好きなものは好きで理由としては成立するのですが、では、なぜ他の何かよりもこれが好きなのか?といった好きの部分を掘り下げていくという段階です。ここからは思考力が求められることになってきます。

例えば先ほどのラーメンの例なら、とんこつラーメンよりもなぜ塩ラーメンが好きなのか?という問いを起点にして、その2つを比較してみます。そうすると決定的な違いが分かってくるはずです。その結果、匂いが強いラーメンが好きじゃなくて、後味がさっぱりしているスープが好きみたいな理由が浮かび上がるかもしれません。

その理由を見つければ、もう自分の意見を明確に立派に持てていることになるはずです。

「塩ラーメンが好き。なぜなら、後味がさっぱりしているから」みたいな。

多角的に考える

最後が最適解を考えるというものです。最適解を出すのはかなり難しいので、ここだけで全てを書ききれないし、僕自身がまだまだ未熟なので伝えきれる自信もありません。

なので、どういう事なのかという概要だけを説明します。

1つか2つ高い視点から、あるテーマの多様な意見を比較検証してベストなものを採用するということが最適解を考えるということになります。

例えば、「今の阪神タイガースでベストオーダーを組むなら?」という問いを設定すると、この問いの答えを出す時には監督やコーチの視点にならざるを得ませんよね?

正解はありませんが、どういう戦い方をするのかであれこれ考えることになります。これが最適解を出すということです。

これは、さらに視点を上げて考えることもできます。次の対戦相手は巨人、その巨人戦のベストオーダーは?となると、タイガース内の戦力分析だけではなくて、巨人側の分析も必要になってきます。

加えて、シーズンで優勝するなら?となると星勘定も必要だし、あと何勝何敗で行けばいいのか?その場合、どこで勝ち、どこで負けを覚悟すべきか?という戦略的思考も必要になってきます。

そこまで踏まえて、では次戦のタイガースのベストオーダーは?となると、単純に最強戦力を配置すればいいってわけではないともなってくるはずです。

このように、答えのない問いに対して、視点を高くするとベストとなる答えが変わってきます。そして、より高い視点での答えほど、解決できる問題や課題が多いので難易度が高く、しかし、価値のある意見となってきます。

ただ、一筋縄では行きませんので、時間を取って、調べて、考えて…というプロセスが必要になってきます。時間が必要ですが、このような思考をして答えを出せる人の意見は、高い価値を持つことになります。

つまり…

自分の意見を持つというのはシンプルに言えば「これが好き」「これが嫌い」だけで十分だと思っています。

それを持っていれば、何を言われても「だってこれが好きだから」「だってこれが嫌いだから」だけで押し通すこともできます。自分の意見を持つということに関してはそれでOKです。

ただ、問われていることが正解不正解だったりする場合は、何が正しいのかを考えなくてはいけないし、すでに正解があるの答えなら、間違えずに答える必要性が出てきます。そういう意見を出すことが苦手だったり、不安だったりするときは、正解不正解を出すような問いには「わからない」で通しても良いと思います。

 

また、視座を上げて、視点を増やして多角的に考えようとするほど、難易度が高くなります。多くの人がイメージする自分の意見とは、この”最適解を出す”ということになるかもしれませんが、これをアドリブ的に出せる人はあまりいません。

すぐに最適解を答えられているように見える人は、それだけ最適解を出すトレーニングをしているのだと思います。

普段から自分なりに最適解を出しているので脳内に構造とデータが入っているという人が、過去の最適解構築の経験を活かして最適解らしきものを作ることができているだけで、最適解をすぐに出せるように見える人でも見えないところで時間を取って自分なりに考えて最適解を出しているはずです。

そこをゴールにして日々最適解を考えることは自分自身の意見を持つうえでとても重要で価値があることだと思いますが、今すぐに自分の意見を持てるようになるなら、”好き嫌いを言えばいい”と自分に言い聞かせるのがもっとも効果的だと思います。

自分の意見を言えない人は、好き嫌いを言っても良いのかな?という部分で引っかかっていると思いますので。

 

…と、ここまで書いてきたこれも、いわば1つの最適解です。これが正解だと言うつもりはありません。僕自身が自分の意見を持とうと考えて、調べて、試して、考えてを重ねてきた結果として今の僕が思うことです。

参考になりましたら、幸いです。

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