フードデリバリー配達員の読書ブログ

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非行少年・少女の現実がわかる本「ケーキの切れない非行少年たち」の要約・感想

非行に走りそうな子供を一人でも未然に防ぎ、非行を繰り返す子供を一人でも減らし、社会の中で幸せを感じれるようにする。

そのために、非行に走る少年少女にある共通点への対処をしっかり行いませんか?

 

そう提案をしている「ケーキの切れない非行少年たち」という児童精神科医の宮口幸治先生が書かれている本があります。

衝撃的な事例がたくさん書かれている本なのですが、そういった事例があるからからこそ、対応すべき方向性も自ずと見えてきているようです。

 

一言で言えば、非行に走る少年少女は認知機能に問題があるケースが多いそうです。

どういった事なのかってことをまとめてみました。

非行の更生の現状

この記事を書いている時点で、非行における現状や課題には次のようなものがあります。

非行件数は減少傾向にある

少年少女の非行件数そのものは年々減少傾向にあります。

非行を更生するプログラムはある

非行に走った少年少女が再犯を犯さないようにするための取り組み・仕組みも存在しています。

非行を生み出さない環境を作る

件数は減り、更生に向けたプログラムも整いつつありますが、社会全体が非行を理解し、それを減らすというアプローチは整っているとは言いにくいかもしれません。

だからこそ、まずは知ってほしいということで書かれているのが「ケーキの切れない非行少年たち」という本です。

非行に走る少年少女のその理由・背景

非行に走る少年少女には1つの大きな共通点があります。 そこを改善する取り組みを家庭や教育の現場で取り入れてくれませんか?というのが本を通して訴えられていることです。

では、その大きな共通点とは何かというと”認知機能が育ってない”ということにあるようです。

例えば次のような事例が実際にあるそうです。

見たままを正しく書けない

見たままを書く。これができない非行少年・非行少女が多いそうです。

例えば、縦長長方形の物体を書いたつもりなのに、出来上がったものは円形というぐらいに、認識機能にズレがあるそうです。

見たことを間違えて認識しているのですから思考や判断は常に間違えますし、こちらが話したことが意図したとおりに伝わってない可能性も高いです。

選択肢が視野に入らない

他の選択肢が視野に入らないというのも、問題の1つとしてあるようです。

例えると、じゃんけんをする時にはグー、チョキ、パーのいずれかを出すものなのに、グーしか出さないというものです。

”この状況ではこれをするしかない”と決めたらそれを変えない不器用さ、頑固さも非行に走る子供に見られる傾向らしく、これも他の選択肢を認知できないという認知機能の問題があります。

身体的認知の機能の問題がある

身体を上手く使えないという、身体的な認知機能にも問題があるそうです。

例えば、本人はふざけているだけのつもりが、相手に大けがをさせてしまって傷害事件になるというケースはこれに該当します。

これ以上やると相手を傷つけてしまうであるとか、痛い想いをさせるであろうという力加減の認知機能に問題があるため、身体機能のアクセルとブレーキの加減がうまくいかず、相手を傷めることになるようです。

社会の中での問題

非行に走る少年少女の背景には認知機能の問題が多く存在しているんだよ。 決して完全な悪意でそういう行動を取っているとは限らないんですよ。

これが著者の訴えかけていることです。 しかし、社会全体がそのことへの理解が遅れているため、次のような問題に繋がっているようです。

認知機能のズレは初見ではわかりにくい

誰の認知機能が優れていて、誰の認知機能がうまく機能していないのかはパッと見では判断できないという問題があります。

学校で学力試験などを通して見つけることはできますが、社会の一員として溶け込んでしまうと、パッと見では判断できません。

そんな認知機能にズレがある少年や少女が社会の中で一般の方と接すると、見たことは違って認識し、聞いたことも違って解釈します。しかしそれを本人がふざけている、不真面目だからという方向で解釈してしまっている現状が多いようです。

その結果、周囲とコミュニケーションが取れずに社会から孤立していき、生きづらさを感じて犯罪に走るケースもあるようです。

怒られない術や反省しているフリを身に付ける

認知機能に個人差があるという認識がない社会の中で、認知機能が劣る人が生活すると何が起きるのか。

まず、怒られる頻度が圧倒的に多くなります。 正しく認識しているつもりなのに、認知機能がズレていますから、大抵は大きく間違えてしまっていますし、だから怒られます。

それを避ける術として、反省する”フリ”を覚えてしまったりもします。

怒りが溜まりやすくなっている

認知機能のズレがあると、本人の理解と周囲の反応がかみあわず、それがストレスになります。

その状態が24時間365日続くのですから、常に怒りが充満している状態です。

怒りは短絡的な行動に駆り立てますので、それが犯罪行為につながっていきます。

でも、任意機能のズレからのストレスは周りからは理解しにくいものですので、周囲はまさかストレスフルな状態に陥っているとは予想できずにいる事が多くあります。

それが「予想外」という結果に繋がりやすくなっています。

まとめ

非行に走る少年や少女について調べていくと、先天的に認知機能が劣っていたり、うまく認知機能が育っていないことが理由となっているケースが多いそうです。

その特徴について本の中で具体的に書かれているのですが、とても他人事とは思えない自分もいます。

犯罪を起こしてはいないけど認知機能のズレのようなものは僕も持っているかもしれない…と思ったのです。

つまり、僕も一歩間違えると非行少年の一員だった可能性は十分にあります。

だからこそ、非行少年や非行少女を頭ごなしに否定する気持ちにもなれないな…と思いながら「ケーキの切れない非行少年たち」を読み終えました。

 

救いがあるのは、本の中に”ではどうすれば良いのか”がちゃんと書かれている点です。

認知機能が育っていないのならこういうトレーニングを通して育てればいいんですよと、どうすれば認知機能を育てることができるのかもシッカリと解説されています。

とても簡単なものですが、シッカリと科学的な根拠に基づく効果のある手法なので、家庭や学校で多く採用してほしいな…と思い読み終えました。

その部分も含めて、少しでも興味がおありなら、是非一度あなたにも読んでみてほしい一冊です。