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思い込み打破本「ファクトフルネス」の要約・感想

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思い込み。

誰しもが持っているものではありますが、その思い込みの存在に気づけるのは、どんな思い込みがあるのかを知った時です。

それを知るまでは、自分が思い込みに囚われている事に気づけません。

 

そんな思い込みの存在に気づかせてくれる名著として世界的に大ヒットした本が「ファクトフルネス」です。

人間の抱える10の思い込みを、豊富な事例を用いて紹介してくれている本で、その中で紹介されている事例1つ1つが、自分の中にある思い込みに気づかせてくれる非常にインパクトの強いモノばかりです。

 

それらの思い込みの存在に気づいて現実を見る。

思い込みに縛られずに現実をみることができるようになると、後悔しない判断を下せるようになる頻度も比例して増えるはずですので、あなたの人生を大きく変える本になるかもしれません。

だからこそ世界で大絶賛の嵐と各国で大ヒットが記録されたのだとも思います。

 

そんな「ファクトフルネス」を読み、自分なりにファクトフルネス的な思考を実践してみて分かったことや感じたことを書かせてもらいます。

 

書籍「ファクトフルネス」について

概要

著者 ハンス・ロスリング
オーラ・ロスリング
アンナ・ロスリング・ロンランド
発売日 2019年1月11日
ページ数 400ページ

内容

ここ数十年間、わたしは何千もの人々に、貧困、人口、教育、エネルギーなど世界にまつわる数多くの質問をしてきた医学生、大学教授、科学者、企業の役員、ジャーナリスト、政治家―ほとんどみんなが間違えた。みんなが同じ勘違いをしている。

本書は、事実に基づく世界の見方を教え、とんでもない勘違いを観察し、学んだことをまとめた一冊だ。

著者 ハンス・ロスリングについて

ハンス・ロスリングは、医師、グローバルヘルスの教授、そして教育者としても著名である。世界保健機構やユニセフのアドバイザーを務め、スウェーデンで国境なき医師団を立ち上げたほか、ギャップマインダー財団を設立した。

ハンスのTEDトークは延べ3500万回以上も再生されており、タイム誌が選ぶ世界で最も影響力の大きな100人に選ばれた。2017年に他界したが、人生最後の年は本書の執筆に捧げた。

www.ted.com

書籍ファクトフルネスのポイント

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誰もが持つ10の思い込み

人間誰しもが持つであろう、そして、生活や仕事に多大な影響を与えているであろう10の思い込みが豊富な事例を用いて紹介されています。

その10の思い込みとは次のようなものです。

  1. 分断本能 … 「世界は分断されている」という思い込み
  2. ネガティブ本能 … 「世界がどんどん悪くなっている」という思い込み
  3. 直線本能 … 「世界の人口はひたすら増える」という思い込み
  4. 恐怖本能 … 「実は危険でないことを恐ろしい」と考えてしまう思い込み
  5. 過大視本能 … 「目の前の数字がいちばん重要」という思い込み
  6. パターン化本能 … 「ひとつの例にすべてがあてはまる」という思い込み
  7. 宿命本能 … 「すべてはあらかじめ決まっている」という思い込み
  8. 単純化本能 … 「世界はひとつの切り口で理解できる」という思い込み
  9. 犯人捜し本能 … 「だれかを責めれば物事は解決する」という思い込み
  10. 焦り本能 … 「いますぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込み

この思い込みによって事実を間違ってとらえ、間違って事実を捉えたまま判断をするので、さらに間違いを重ねる…ということを繰り返しています。

未来を良くするために現実を正しく捉える

未来をより良いものにするには、今を正しく解釈することが不可欠です。

間違った解釈のまま判断すると、判断も間違ったものとなり、その間違った判断によって未来は好ましくないものへとなります。

 

例えば、今続けている努力がなかなか実を結ばないけど、これをこのまま続けるべきか否か。

これを判断するためにも現実を正しく捉えることが土台になければ、間違った判断をすることになります。

本当は才能があり、その才能の発露までもう少しの所まできているのに、努力を重ねても意味がなさそうだと間違った分析としたことによって、努力を辞めるという間違った判断を下してしまうことも十分にありえます。

その結果、才能が発露することもなくなり、豊かになるチャンスをみすみす無駄にすることにもなります。

 

今を判断するときに自分の中にある思い込みの存在に気づかないままでいると、間違った方向へと進んでしまいます。しかし、その間違いを最小化できれば現状を正しく理解して、正しい判断をする頻度が増えます。

結果、自身が望む未来へと近づくことができるようになります。

ファクトフルネスが注目を浴びている理由

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事実だと信じているが間違っている

この本には、非常に多くの事例が収められています。

その事例の多さから、こんなに文量がなくても良かったのでは?とする意見もあるようですが、なぜこれだけの文量が必要なのかを考えると、それはただ1点、これだけの事例がなければ信じることが難しいことばかりを提示しているからに他なりません。

言い方を変えると、自分の中にある思い込みに気づき、それと距離を取るということはそれほどまでに難しいことなのです。

 

例えば、「貧困は少なくなっている。世界には貧困で苦しんでいる人が相変わらずたくさんいるが、その数はどんどん減少しているんだよ」と言うとインパクトはありますが、そのぶん抵抗を感じ、聞く耳を貸さない人も多いでしょう。

そこで、その根拠を示すために、豊富な事例とデータを用いて説明するために多くの誌面が割かれています。

 

つまり、すぐには信じられない事実がこの本では述べられているということでもあり、知ってしまうと、世界の見え方が変わってしまうというインパクトもあるため世界中で良書として注目を浴びています。

応用できる範囲が非常に広い

人間には10の思い込みがあり、それが現実を歪ませています。
歪んだ現実を見てから判断をするので、その判断も間違っている可能性が高いです。

そして、その間違った判断によって得られた成果を見る時も思い込みによって歪められているので、また間違った判断をして…ということを繰り返してしまいがちです。

その思い込みを打破してくれるのがこの本で得られるメリットです。

 

「思い込み」は人間だれしもが持っているものです。
サングラスのような、世界を見る時のレンズの役割のようなものです。

そのレンズそのものを取り払ってくれます。

そして、現実を正しい姿で理解できるようになりますので、判断を間違えず、正しい成果を得ることができるようになります。

 

例えば、直線本能。

未来は今の直線上だという思い込みに縛られていると、努力をしても無意味では?と間違った判断をするようになります。

努力をしても成果があがらない、実力が伸びない。
だから、努力を続けても無駄で無意味だ。

そう考えるようになるのが直線本能によるモノの見方です。

 

しかし、現実は全てが直線になるわけではありません。

S字型に上下動することもあれば、ある日から急に一気に爆発的に伸びることもあります。
直線的になることがないわけではありませんが、数あるパターンの中の1つです。

それを理解しているだけで、「この直線上の未来を想像して判断することが賢明ではない」という踏みとどまることができるようになりますので、間違った判断を下す頻度が減ります。→ 「ファクトフルネス

ファクトフルネスの実践を試みて分かったこと

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10の思い込みは丸暗記して損はなし

10の思い込みが人間には備わっていて、知らず知らずのうちにその思い込みに縛られているということを、事例を伴って知ることで、確かに自分の中にはそれらが備わっていると気づけるようになります。

そして、それに気づくことができるようになると、以後、その思い込みに自分自身が駆られた時に、「あ、これって思い込みかもしれない」と自分を律するきっかけにもなり、判断を間違える頻度が減ります。

 

例えば、ネガティブ本能。
本の中にも事例がありますが、事実に照らし合わせると毎日確かに少しずつ良くなっているのです。

生きてると時々嫌な事が起きますが、それでも全体的には良くなっていってます。
でも、嫌なことが起きると、これがこのまま続くのでは…最悪の未来だ…と考えてしまい気分が落ちます。

ネガティブ本能に思考を任せるとそうなります。

その気分の落ち込みや未来への悲観を食い止めてくれるのが、”人間にはネガティブ本能と呼ばれるものが備わっている”と知っているということです。

 

10の思い込みを全て脳内にインストールしていれば、思い込みに流されそうな瞬間に自分自身で認識を修正できるようになります。

ファクトフルネスを使いこなすのは難易度が高い

読んだだけで終わるにはあまりにも勿体ない内容ですので、さっそく実践してみようとしたのですが、そこで大きく躓きました。

10の思い込みを頭に叩き込んで、自分がその思い込みに縛られていないか、囚われていないかをセルフチェックするのは比較的簡単なのですが、では、それが思い込みであることを証明するとなると、これが難しいんです・・・。

 

何をどういう数値を集めれば、それが思い込みであると証明できるのか。

これを自分の頭で考えて、その素材となるデータを集めて検証して…となると、高い分析力と高い情報収集能力が求められるのです。とてもじゃありませんが素人が付け焼刃的に簡単にできそうにもありません。

 

シッカリと使いこなすためには、分析思考や統計学を腰を据えて学ぶ覚悟と鍛錬が欠かせないようです。

今の自分にはそこまでの実力がありませんから、更に深く理解して使いこなすためには基礎学力を高める努力が必要なようです。

そんなわけで

知らないうちに支配されている”思い込み”。
その思い込みにはどのようなものがあるのかを豊富な事例を用いて教えてくれる書籍「ファクトフルネス」。

一読の価値がある非常に良い書籍です。

 

ただ、この本の事例のように「それは思い込みなのでは?」を気づくために、事例を集めて自身で事実を証明するというのはこの本の知識だけでは難しいと思います。

人間には10の思い込みがあり、その思い込みによって現実を間違って捉える癖があるのだということを理解して、自分自身がその思い込みに囚われていないかを適時セルフチェックするという活かし方がこの本の活用方法として正しいかと思います。

 

スキル本ではありませので、本の内容を理解するとたちどころに何かわかりやすいメリットが身の回りに起きるのかというと、そこは正直わかりません。

多分おそらく、読んだだけでは目に見えて分かる変化は起きないと思います。

でも、現実を捉えるレンズの精度が変わっていますから間違った判断を下す頻度は減りますので、時間と共に未来は少しずつ今までと違ったものに変わっていくはずです。

 

分かりやすいところでは、ネットやテレビの情報の中にはこのファクトフルネスで紹介されている思い込みに支配されたものも多くありますし、なおかつ、その思い込みを刺激する情報が多いことに気づけるようになります。

それだけでも情報をいちいち真に受けずにすむようになりますし、受け流すべき情報はどれなのかを自己判断できるようになりますので、ノイズのような情報に振り回される頻度が減ります。

これだけでもあなたの時間と思考を無駄にしなくなりますので、本を読むために投資した書籍代と時間以上のリターンは得られる良書です。

 

あなたの時間を無駄にせず、なおかつ未来を少しずつでも良くしていきたいと思われるのなら、是非手に取ってみることをオススメいたします。