Uber Eats(ウーバーイーツ)配達員の交通事故。
マスコミなどで時々大きな問題として扱われることがあります。
- 配達員が加害者のケースの事故
- 配達員が被害者のケースの事故
そういったものから、危険な運転をしている配達員が矢面に立つこともありと、危険な運転イコールUber Eats の配達員という印象がシッカリと張りついているかと思います。
僕自身、2年以上の配達員経験を通して、自損事故は1回、対人事故1回、対物事故1回の経験があります。いずれも自分自身の甘えがそこにあったと反省しています。
中でも、対人事故は本当に最悪なことをしてしまった…と自己嫌悪し、そこから運転の仕方が良い意味でガラッと変わりました。今も当時の現場近くを通るとその時のことを思い出し、身が引き締まる思いです。
そんな経験を忘れないために、そして、こういう事故は配達員なら誰にでも起こしてしまう可能性はあるよという啓蒙の意味も兼ねて、当時の体験談を残したいと思います。
僕が起こしたUber Eats(ウーバーイーツ)配達中の事故の経緯
僕のスピードの出し過ぎた状態での出会いがしらの事故なのですが、相手方にケガをさせてしまい、一件落着するまでに約1年も時間を要してしまいました。
事故の対応そのものはスムーズにスピーディーに済ますことができたのですが、その後のUber Eats とのやり取り、相手の弁護士からの連絡待ちなどで多くの時間を要しました。
その一部始終を書かせていただきます。
出会いがしらの衝突事故
当日、僕は大阪のマクドナルド某店で商品を受け取り、注文者様の所へと向かっておりました。 その日はよくオーダーが飛んでくるので、「稼ぐチャンスだ!」ということで頭がいっぱいでした。
その注文者様の元へと向かう道中は下り坂が多く、自然とスピードが乗っていました。
その状態で勢いよく谷町8丁目の交差点を東から西に向かい、北へと右折したところ、出会いがしらで相手の自転車と接触して、相手の女性が転倒。
すぐに歩行者さんなどが集まり、警察と救急車を呼び、事故として処理することになりました。
配達中の商品のキャンセル
配達中の商品を注文者様の元へ届けることが出来なくなりましたので、Uber Eats のサポートセンターに電話報告。
サポートセンターから注文者様へ事情を説明していただいて、配達をキャンセル扱いにしていただきました。
事故の現場検証
即座に事故の現場検証が始まりました。
巻き尺やルーペを使い、物証を集めたり、事故が起きた時の状況を記録したりなど2時間ほどの現場検証が行われました。
救急車に乗って病院へと運ばれていた被害者の女性が戻ってこられたとあって、加害者と被害者が同席できる今のうちにやろうということで、現場検証を一気に済ませることになりました。
事故についての事情聴取
日を開けて、事情聴取を受けるために所轄の警察署へ。
小一時間ほどの事情聴取。 テレビドラマにあるような取調室に招かれ、警察の方に調書の内容の確認を受けました。
後々言われたことですが、この時の態度と事故の状況、悪質性なども踏まえて、検察がさらに事情を聴きたいとなったら、次は検察に呼び出されるとのこと。
幸い、態度に問題もなく、真摯に対応しようとしたとのことで検察からの呼び出しはありませんでしたが、シッカリと怒られました。
Uber Eats(ウーバーイーツ)の保険が適用されるのか
事故を起こしたため、相手方の慰謝料や治療費の支払い義務が発生します。
しかし、当時の僕は自転車保険に加入していなかったため、どれぐらいの慰謝料と治療費になるのかを内心戦々恐々としていました・・・。
そこで調べてみるとUber Eats には保険があるということでしたので、Uber Eats のサポートに連絡しました。
すると、一度審査をさせてくださいとのことでしたので、二つ返事で審査をお願いしました。
Uber Eats(ウーバーイーツ)の保険適応の審査
Uber Eats の保険が適応されるのかどうかの審査をお願いして、いくら待っても返事がない。
もしかして、相手方には連絡が行っていて、そちらで対応が進んでいるのかな?とも思っていました。
ところが、事故後3週間ほどたったある日、お相手と道端でばったり遭遇したのでお話をしたところ、何も連絡がないとのこと。
急いでUber Eats に連絡をして、「どうなっているのか?」と確認したら、「そんな話を聞いてません」とのこと。
ふざけるな!ということで、経緯と事情を伝えて、ちゃんとやってくれ!とサポートに伝える。
そして、また何の連絡もなく放置。 また連絡をして、何がどうなってるんだ?と説明を求めると、また同じように「なんのことですか?」という返事。
「ええ加減にしろ!会話を録音してるんだろ?俺とのやり取りが残ってるなら、それを聞け。お前らサポートがなんて話したか確認しろ!!」
そう言っても「申し訳ございません、それはできかねます」と誠意も何もない回答。
挙句、「そういう事でしたらヘルプページから事故対応申請フォームがあるからそちらで申請してください」と、違った窓口を案内。
ここでこのサポートに言っても埒が明かないので、指定通りヘルプから申請ページへ行って必要事項をフォームで記入して送信。
・・・しかし、何の返信もなし。 連絡をしてみると、「そのような連絡を頂いてませんが・・・」と、またふざけた回答。
「さすがにそれは無理がありますよ。こちらには送信ログも残っているのですから」と言っても「はあ・・・」という力ない返事と「そうですか。申し訳ありません」とマニュアル対応。
再度申請してようやく審査が通過した時点で事故から3か月が経過していました。
この3か月の間、4回の連絡。
事故被害者も居る話なのに対応が杜撰すぎます。 ずっと待っていただいた相手側には感謝なのですが、これが後々に響きます。
保険対応のためのやり取り
保険対応をするために、Uber Eats が加入している保険会社の担当者さんと電話でお話をします。
お話によると、お相手とのやりとりの窓口は僕自身が請け負う形の契約の保険になっていますので、対応をしてくださいねとのこと。
要は保険会社と被害者さんの間に僕が立って、伝言ゲームのようなことを繰り返すというもの。
了承して、被害者さんにその旨と必要な書類を用意してほしいということを伝える。
書類を受け取り、それを保険会社に送り、その結果出てきた慰謝料額を被害者さんに伝える。
対応に不服なため弁護士が代理人に
保険会社がまず提示する慰謝料は自賠責基準と呼ばれるもので、決して高額なものではありません。
治療にかかった費用と必要最低限の慰謝料を提示します。
お相手は弁護士さんに相談した結果、約20万円の慰謝料を求めていたのですが、保険会社から提示した金額はその4分の1にも満たない金額。
申請しても3か月以上も対応に応じず、金額も少しでも安く済ませようとする対応はとても被害者のことを考えているとは思えないということで弁護士を代理人に立てて、今後の交渉は弁護士にすべて任せますとの一報を頂く結果に。
事故から約1年後
弁護士を代理人にしますとの連絡を頂いていこう、改めて相手の弁護士から何の連絡もなく、被害者様から何も連絡がない状態が続きます。
こちらから連絡をしようにも、直接の交渉はお断りするという旨を被害者さんが表明されていて、代理人の弁護士が誰かわからない状況なので何もできないまま事故から約1年が経過して、ようやく弁護士様から連絡が入ります。
慰謝料請求の資料をお送りしますので確認してくださいとのこと。
保険会社へ慰謝料の資料を提出
保険会社へ弁護士さんからいただいた慰謝料に関する資料を送付。
過失割合に応じて、この金額でいかがですか?との回答を保険会社から受け、それを弁護士に連絡。
その金額で了承を得たので、示談書に双方が署名・捺印。
ちなみに、その金額は当初被害者様が提示した金額にほぼ近いものです。 弁護士を立てたことで保険会社は自賠責基準の支払いではダメだと判断して、被害者の提示する金額に応じました。
相手が弁護士ではなく素人だとわかると、少しでも安い保険金額で済ませようとするのが保険会社の仕事なのだと思いますが、あまりにも極端なので驚きました。
慰謝料振り込みの確認が取れ完了
被害者様への慰謝料の振り込みの確認が取れ、無事に自転車事故にまつわる対応がひと段落つきました。
ここまで来るのに1年と1カ月半かかっています。
途中で何も連絡がない期間を経たとはいえ、初期対応でUber Eats がまともに応じず、書類の確認と送付・返送の連続で事務処理に追われた印象です。
事故を起こした僕の過失であるので、結局は自分が事故を起こさなければいいのだろう?という話なのですけどね。
ただ、事故後の対応で不信感を抱かせてしまったこと、誠実さが欠けるということから直接のやり取りは避けたいとのことになり、弁護士さんとのやり取りになったこと。
とても疲れたというのが僕の学びです。
最後に
僕自身が事故を起こした経験から、どうすればUber Eats 配達員の事故を減らすことができるのだろうか・・・と考えることがよくあります。
結局はこの2点に尽きると思っています。
- スピードを出しすぎないこと
- 交差点は注意すること
この2点のいずれか、もしくは両方をおろそかにした時に事故が起きる率は跳ね上がると思っています。
事故をして良いことなんて1つもありません。
怪我をする・させる、稼ぎが減るといった事が現実的になるわけですし、最悪の場合死亡事故もありえるわけですから、事故をしないに越したことはありません。
そのためには、スピードを出さずに交差点では注意するということに尽きるかと思いますし、今の僕はそういう意識を強めで配達をしています。
お陰で貰い事故に遭いそうなことは幾度かありましたが、事故を起こす側になる確率はグンと減ったと感じています。
事故をした経験が生きているのかもしれませんが、できれば事故をせずに僕の失敗から学んでいただくことができれば一番ですので、くれぐれも注意して配達業務をしていただければな…と思う今日この頃です。