配達中の事故
毎日どこかでUber Eats の配達員が事故を起こしていると思います。
Twitterなどを見ていると、ほぼ毎日事故報告のツイートがTLに流れてきますし、事故で亡くなったという悲しいツイートも年に数回は見かけます。
本当にこの仕事は交通事故と隣り合わせの仕事だと思います。
だからこそ、配達員には次の2つのポイントを踏まえた準備をしておくことがとっても大切です。
- 事故に遭う可能性・確率を減らす
- 事故に遭った後のダメージを減らす
理想は事故に遭わないことなのですが、乗り物を使う仕事をしている限り事故遭遇確率を0%にすることはできません。どれだけ気をつけていても、貰い事故に遭遇する可能性はありますから。
事故に遭う確率はゼロにはできないという前提で、どうすれば事故の確率を減らすことができるのかと、事故に遭った後のダメージを小さくすることが大切です。
特に事故に遭った後のダメージを小さくすることが重要です。
事故後のダメージの大小は、事故に遭う前の準備段階でほぼ決まるからです。
では、どうすればいいのか?を配達員歴3年以上、配達中の事故回数3回の僕の経験を踏まえて、紹介させていただきます。
交通事故に関して知っておくべきデータ
配達員という仕事は1日中乗り物に乗る仕事です。それは常に交通事故と隣り合わせであるということでもあります。
では、その交通事故の実態はどうなのか?
対策をするにあたって、まずは全体像を知ることが大切だと思いますので、抑えるべきポイントをいくつか紹介させていただきます。
事故死者数は減っているが障害が残る人は増えている
交通事故による死者数は年々減少傾向にあります。
これは自動車の安全性能や、運転者の安全意識の向上、医療体制の進歩などが相まって死者数の減少に繋がっているのだと思いますが、同時に、事故後に身体に障害が残り続けるというケースは健在です。
命があるのだから儲けものであることは間違いがないのですが、事故前と同じ生活が出来るわけではない人が居るというのもまた事実で、その事実を踏まえた準備をしていないことには事故後の生活がボロボロになってしまいます。
http://jiko.in/kouishougai/hueru.php
バイクや自転車の事故死は装備品で防げるケースが多い
バイクや自転車の死亡者の、何が死につながったのかという要因を調べてみたところ、その多くは頭部へのダメージです。ヘルメットの着用の有無によっても如実に死亡率に変化が現れています。
つまり、ヘルメットやプロテクターなどの装備品によって事故死は防ぐことができるかもしれないということです。
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/bunseki/nenkan/040303R03nenkan.pdf
任意保険に入ってないケースは以外とある
事故にあった後には、必ずお金の話がついて回ります。相手がいた場合、相手が居ない場合・・・いろいろなケースがありますが、どのような事故にもお金の話は切っても切れません。
ざっと思いつく範囲でも次のようなことが事故後について回ります。
- 相手や自身の怪我の治療に要する費用
- 相手や自身の物損の賠償費用
- 療養中の生活に要する費用をどうするのか
- 事故で仕事が継続できなくなった場合、どうするのか
このようなことに直面する可能性があります。
それをケアしてくれるのが任意保険の存在ですが、すべての方が任意保険に加入しているわけではありません。(加盟率は44%前後という調査結果もあります)
もし任意保険未加入の方との事故に遭った場合、あなた自身への対人損害賠償は自賠責の範囲内で賄えても、対物は自賠責の範囲外となります。では、自腹で相手があなたの持ち物の損害を補償してくれるのかとなると…という懸念が残ります。
任意保険に未加入の方と事故を起こした場合のことも想定した準備をしておく必要があります。
配達員の死亡事故は当たり前のように起きている
配達員の交通事故はもとより、それによる死亡事故も当たり前のように起きています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220218/k10013490931000.html
ニュースとして扱われるレベルでは年に数件と数える程度ですが、もちろんこれは氷山の一角です。ちょっとした交通事故なら毎日毎日起きていますし、ニュースになってない大きな事故も起きています。
僕の知る範囲で言いますと、完全な被害者の形で遭った事故で片足を切断することになり、現在は配達員を辞めて義足で次の人生を進んでいるモノもいますが、その方のことはニュースでは扱ってないはずです。
表に出てないだけで、こういう事故が日常的に起きている業界だという認識を持つことも大切だと思います。
配達員が交通事故に遭う可能性を減らすためにやるべきこと
事故がいかに身近で、想像よりも残酷な現実があるということを少しでも感じて戴けたなら、それを避けるための準備をすることの大切さはもうご理解いただけていると思います。
では、交通事故に遭う可能性を減らすためにはどうすればいいのか。
そのポイントを紹介させていただきます。
知識を蓄える
安全に運転するために、まず何よりも知識を蓄えることが非常に効果的です。
その知識には大きく分けて次の3つがあります。
- 交通ルール … 基本的な交通法など
- 事故の傾向 … いつどこで事故がよく起きるのかなど
- 交通スキル … 安全な運転をするための知識・スキル
専門家レベルで詳しくなる必要はありませんが、何も知らないというのも事故遭遇確率を高めることになります。
例えば、バイクの死亡事故は何時ごろが多いのか?を知っておくだけで、その時間帯の稼働を避けたり、いつも以上に緊張感を持った運転ができるようになります。
合間の時間を使ってネット動画や記事、本などにアクセスして知識を蓄えておくことをオススメします。
体調・メンタル
体調やメンタルを整えることも事故遭遇確率を左右しますので、体調やメンタルの不調時には稼働しないという選択をすることも大切ですし、体調やメンタルを整えることも大切です。
例えば、睡眠不足で乗り物に乗ると注意力は散漫になりますし、バイクであっても居眠り運転をしてしまうことがあります。(実際にバイク稼働中の居眠りからの自損事故を起こした配達員もいます)
体調やメンタルを整えることも、事故に遭う確率を下げることになります。
装備を揃える
事故に遭わないために装備を整えるということも大切です。
例えば、スマホホルダー。自転車やバイクでの稼働では義務付けられているものではありますが、それでもすべての人が着用しているわけではありません。
スマホを片手に持ったままで運転したり、ポケットに入れておいて見たいときだけ取り出したりという方もいます。それでも事故を起こしていないなら問題がないでしょ?となりそうな所ではありますが、それは大きな間違いです。
スマホを見るために片手になることや、スマホを見るために目線の位置が大きく変わることは事故に遭う可能性を飛躍的に高めます。そういったことで事故に遭う可能性を高めないためにスマホホルダーがあります。
このような事故に遭う可能性を高めないための装備を揃えることも自身を守ることに繋がります。
配達員が事故後のダメージを減らすためにやるべきこと
運不運、不注意…などなど、要因は様々ですが乗り物にのって稼働する仕事である以上、交通事故と無縁というわけにはいきません。
いつどこで事故に遭うのかはわかりませんから、事故に遭った場合を想定した備えもとても重要です。
中でも次の2つをチェックしておくことを強く強くオススメします。
装備を揃える
事故に遭った後のダメージを小さくするための装備というものがあります。
一番わかりやすいのがヘルメットです。 頭部へのダメージは命に直結しますから必要不可欠です。
バイク稼働の配達員はまず間違いなく着用していますが、自転車配達員はチラホラ見かける程度です。自転車でヘルメット着用はカッコ悪いのかもしれませんが、事故に遭ったときの死亡率は間違いなく高い状態です。
このようなヘルメット1つとってもそうですし、バイクに乗るならプロテクター着用も視野に入れてもいいかもしれません。
任意保険に加入する
事故後の大きなダメージの1つが金銭的ダメージです。
それをケアするために任意保険に加入することも強く推奨します。任意の保険ではありますが、ほぼ義務と思っても間違いはありません。
自賠責保険があるからそれで賄えると思っている人も少なからずいるようですが、自賠責保険がケアしているのは人身事故での対人賠償だけです。相手と自分の物損、自身の怪我には使えませんから、それらの損害賠償は自腹となります。
場合によっては何千万となる可能性もあるのに、それでも良いと思われるならそれでいいのですが、とてもじゃないけど自腹で無理…という方も多いと思いますし、自腹でそれらを払うより、保険の掛け金のほうが圧倒的に割安です。
また、自身の入院費用などのケアもしてくれる任意保険もあります。
そういった事故後の金銭的負担を軽減してくれるのが任意保険ですから、任意保険に加入することはもはや必須であると考えておいて間違いはありません。
というわけで・・・
ウーバーイーツの配達中の事故に関するあれこれを書かせていただきました。
これを書いている僕自身、稼働中の事故での苦い体験をしています。
幸い身体は大きな後遺症もなく元気ですが、たまたま運が良かっただけだと今でも思っています。調子に乗っていたな…と反省しきりです。
そんな経験があるからこそ事故に遭わないための啓蒙も含めた記事を書いている部分があります。
難しいことは書いてないと思います。
どれも簡単かつ基本的なことです。
でも、めんどくさいとか、大げさだからとか、恥ずかしいとか、また今度みたいなことを理由にして怠り、そこを怠ったせいで後々後悔することがあるのが交通事故です。
どれだけ稼ごうが、事故を起こせばすべてが無駄になることがあります。
今日も明日も、明後日も安定して稼ぐことこそが大切で、そのためには準備と対策、そして、万が一の時のスムーズな対応こそが鍵を握ります。
それを実現するためのことをこの記事にまとめたつもりですので、是非参考にしていただければ嬉しい限りです。