Uber Eats(ウーバーイーツ)の仕事を本業にしたい
そのような方が少しずつ増えてきています。
月に50万円以上をコンスタントに稼ぐ方もいらっしゃいますし、ごくごく一握りの人に限りますが、もっと稼ぐという方がいるのも事実ですが、本当に本業としてやっていけるの?
そのような疑問をお感じの方も少なくないと思います。
僕のUber Eats の配達員経験を踏まえた上での個人的な結論を言いますと、長期間本業とするのはあまりオススメしませんが、一時的に本業にするのはアリです。
ロイター板的な使い方をイメージできれば、確実なステップアップを実現できるとも思います。
そこを踏まえて、本業にするメリットやリスク、そして、本業にするには何をしなければいけないの?という事について、3年以上Uber Eats の配達員をしてきて、11,000件以上の配達をこなしている現役配達員の僕がお教えいたします。
なぜUber Eats(ウーバーイーツ)の配達員は長期的な本業に不向きなのか
なぜ長期的な視点で見た場合には不向きなのか。
- 業界の先行きが暗い
- 自身のお客が増えるわけではない
この2つが相まって、予期せぬタイミングでいきなり職を失うことになりかねません。
本業をお考えの方ならご理解いただけるとは思いますが、ビジネスで重要なのは”立ち位置”です。
”どの業界で、どういう役割を担うのか”を明確にし、それをどこよりも効果的効率的に行うことが求められます。
フードデリバリーの配達員という仕事で言えば、”出前という仕事を効果的効率的に行うこと”がこの仕事に求められていることです。
そして、それを実現し続けることで”あなたのお客”が増えていきます。そして共に繁栄していくことがビジネスの長期的目標になります。
ところがフードデリバリーの配達員はその両方において、あまり先行きが良くないというのが現状ですので、腰を据えて長期的視点でこの仕事をやっていくぞ!という方にはオススメできないというのが本音なのです。
どういう事なのかを少し掘り下げていきますね。
Uber Eats(ウーバーイーツ)の配達員を本業にするリスク・デメリット
現役配達員として、Uber Eats を本業にすることをオススメするのか否か。
結論を先ほど言いましたが、長期間Uber Eats を本業にするのはお勧めしませんが、短期間ならUber Eats を本業にするのはアリです。
それはこのような理由からです。
稼ぎが不安定で先行きもあまりよくない
Uber Eats の配達員のブログやツイッターなどを拝見すると、1日に2万円稼げました!みたいなことを書いていたりします。
それを見た方は「お!」と思うかもしれませんが、それだけの金額を稼げるのはいくつかの条件が重なった場合に限ります。毎日それだけの金額を稼ぐのは至難の業です。
その事実をあまり知らず、メディアが取り上げる「Uber Eats は稼げる仕事」というイメージに引っ張られている人が本当に多いように感じます。
むしろ、メディアで扱えば扱うほど配達員の売上は減るのです。
仮に10件の依頼があって、それを2人で消化した場合の収入と10人で消化した場合の収入が同じわけがありませんよね?
配達員が増えるほど実入りが減るのが当然なのですから、稼げるよという評判が広がるほど、稼げなくなるのです。
出前市場がこれからも大きくなるのならまだ未来は明るいのですが、もうフードデリバリーの市場は限界サイズまで膨らんだと思われますので、需要は増えない、供給(配達員)は増えるという状況が続くことが予想されます。
ウーバーイーツの配達員という仕事は稼げるのか?儲かるのか?をよく聞かれます。
「現状、稼げますか?」という問いが生活が出来るレベルですか?なら「はい」なのですが、「大儲けできますか?」になると「無理かな…」となりますし、「今後も稼げますか?」となると上記のような理由から「右肩下がりかな…」という答えになってきます。
保険等の保障関係が弱い
自転車やバイク、軽自動車を使って配達をするのがUber Eats の仕事です。 常に事故のリスクがつきまといます。
これはもうフードデリバリーサービスという仕事のデメリットでもあり、Uber Eats という仕事をやる上で覚悟しなければいけないリスクでもあります。
そんな事故と隣り合わせの仕事でありますが、その補償関係がイマイチ弱いと感じるのがUber Eats のお仕事です。
実際に僕もUber Eats の配達中に自転車事故を起こし、Uber Eats の保険を使ったりしましたので、その危うさを身をもって知っています。
しかも、当時はUber Eats が用意している保険を使うためにUber Eats に事故を報告するとアカウントが停止になることがありました。中には永久停止になった人も居ます。
今は今後の見通しが立てばアカウント再開となることが多いようですが、以前は事故を真面目に報告しただけなのに、保険対応もままならずアカウント停止で稼げないという八方ふさがりな状況に陥る人が続発していました。
それを避けるために、事故を報告せずに、保険は自身の用意しているものを使うという対応が配達員の間で常識化しました。
その経験も踏まえて、本業化するのはリスクが大きいな・・・と感じています。
実績が積みあがらない
これを指摘する人はあまりいないのですが、仕事をする上でここが一番大切なんじゃないの?そして、Uber Eats を本業とすることの最大の欠点はここだと思います。
その欠点とは”実績”です。 Uber Eats を本業にしても、なんらかの実績が積みあがるわけではありません。
言い方を少し変えれば、”あなたのお客”が増えないことが一番のネックです。
仮に3年間真面目に頑張ったからといって役職がつくでもなく、1件当たりの報酬単価が増えるでもなく、注文者様から指名されて指名料が貰えるわけでもありません。
ただただ”Uber Eats ”という会社とサービスの認知度が上がり、Uber Eats が成長していくだけで、その成長に伴って自分自身の仕事の価値や収入が上がるわけではありません。
他の仕事ならコツコツと3年真面目にやれば、自身の名前と顔が売れ、実績も積み上がり、それが収入にも反映されているはずです。
10年続けても、昨日この仕事を始めた新人に負けることもあるのがこの仕事です。
そのようなことから、長期間の本業化はやめておいたほうが良いというのが僕の考え方です。
アカウント停止がある
Uber Eats の配達員としてのアカウントが急に停止されることがあります。
もちろん、そうなる理由がそこにあるのですが、一度停止になったアカウントが再開されるのは困難を伴います。
例えば、先ほども少し触れましたが、配達員の中には、自損事故を起こしたことを報告したらアカウントが凍結され、何をどう説明しても復活することができず、そのまま引退した本業の方もいます。
誰かが被害にあったわけでもない自損事故でもです。
また、お客様から違反行為の通報があったとなるとやはりアカウントが止まることがありますし、時折ある顔写真認証に失敗してもアカウントが止まります。(ちなみに顔写真認証ミスのアカウント停止は永久停止扱いですので、復活するのは非常に困難です)
アカウントが止まれば稼ぐことができなくなりますので、急に収入を絶たれたことになります。
このような、急にアカウントが止まるということがあり得るのがUber Eats ですので、本業にするのは非常にリスキーです。
ロボット配送が現実味を帯びてきている
この仕事がいつまでも残るのかが不透明な大きな理由が、ロボット配送が視野に入っているということがあります。
アメリカではマイアミをはじめいくつかの州で実際にロボット配送を導入して配達をしています。
もちろんこれは実用を見込んでのテストも兼ねてますから、実際の運用を経て集めたデータを基に改善改良を重ね、ロボット配送の対応エリアを増やしていくことが前提となっています。
当然それは日本も例外ではありません。
法律がロボット配送を可能とするような方向で整備されつつありますので、そう遠くない未来に日本にもロボット配送は訪れます。
電力が尽きない限り、指示通りに文句もなく、少々の悪天にめげることもなく、24時間稼働が可能な上にコスト面では人間よりも安上がりなロボットがライバルとなれば、人間では太刀打ちできません。
そういう未来がもう目の前に来ている業界でもあります。
Uber Eats(ウーバーイーツ)を本業にするメリット
Uber Eats の配達業務を本業にするデメリットを基に、僕は基本的に本業化はお勧めしない理由を連ねてきましたが、本業化を真っ向から否定しているわけではありません。
本業にすることのメリットもありますので、そこも踏まえて、総合的な判断で本業化することには何の異論もありません。
では、Uber Eats を本業にする事にはどのようなメリットがあるのか。 その点を紹介させていただきます。
時間の自由
いつどこで、どの程度働いてもいいのが、フードデリバリーサービスのメリットです。
ノルマもシフトもありません。 通勤時間はゼロだし、残業もゼロです。すべての自分自身で管理コントロール可能となります。
例えば、育児がある方なら、育児優先にしつつUber Eats で稼ぐという働き方もできます。時間を固定化されて働くのが性に合わない…という方にもおすすめの仕事です。
人間関係のしがらみがない
人間関係がゼロということはありませんが、”ほぼない”と言っても過言ではありません。
お店のスタッフさん、同業の配達員と最低限のコミュニケーションが取れるに越したことはありませんが、密に連絡を取り合って・・・という仕事ではありません。
極論、事務的な会話以外、何も発生しません。
人間関係のしがらみは疲れるな・・・と思っている方でも、安心してできる仕事です。
成果を求めるマインドの育成
成果を追求するマインドを育成することができます。
つまり、結果を重視する、本物のプロになることができます。
本来プロの仕事は結果のみが評価の対象ですが、企業に入ると、勤務態度や上司からの好かれ具合など、成果とは関係のないようなことまでが評価の対象になってきます。時には、成果を挙げてなくても、給料は満額貰えるということもあります。
しかし、Uber Eats の配達員にそれはあり得ません。
成果に対する報酬なので、1件でも多く成果をあげるには自分はどうあるべきなのか・・・という結果重視のマインドを養うことができます。
Uber Eats(ウーバーイーツ)の本業化を成功させるためのポイント
Uber Eats の本業として、しばらくやっていこうと思う。 そう決意されたのなら、ぜひその決意を胸に全力で走ってみていただきたいと思います。
本気で取り組むことで得られることもありますので、決して無駄にはならないと断言しますが、そのチャレンジをより成功させるために、次のようなことを意識してみていただきたいな・・・と思います。
絶対に保険は入っておきましょう
Uber Eats には事故を起こしたときに使える保険や補償制度もあります。 ただ、個人的には全然弱いと思います。
任意保険をご自身で別に加入されることをお勧めします。
事故と隣り合わせの仕事ですから、事故に遭うつもりはなくても、事故の被害者になることもありえます。そのような時にUber Eats の用意している保険だけでは物足りないこともあります。
自分の身を守るのは自分です。 万が一に対する備えは超大切です。
公的手続き(税金等)の勉強をしておきましょう
本業としてスタートするに際して、開業届から、税金、社会保険に関するすべてを自分自身でやらなければいけません。
また税金や社会保険の知識は持っておいて損することはありませんので、本業化を機会に最低限の知識は備えておいたほうが良いので、稼働中の暇な時間でもいいので少しずつ勉強していくことをオススメします。
もちろん専門家にお願いして時間を節約するという考え方もあります。
事実、知識や知恵を豊富に持つ専門家に頼めば、結果的にお金を多く残すことに繋がることは珍しくありません。(だからこそ、税理士という仕事が成り立っているとも言えます)
例えば「税理士ドットコム」を利用すれば今のあなたに合う税理士を見つけることもできますから、そちらを利用するのも1つの方法です。
複業を意識してみてください
他に同時並行でできる仕事はないか・・・を意識してみてください。
例えば、ネットショップを運営してみるであるとか、他のデリバリーサービスと同時稼働してみるであるとか。
いつどういう理由でアカウント停止になるのかわからないというリスクもありますし、基本的に”待ち”の時間が多くなるのがフードデリバリーサービスですので、その時間をいかに有効に使うのかが稼ぎに直結してきますし、将来の不安を小さくすることにもつながります。
他の仕事が思い浮かばないなら、何らかの資格の勉強をする時間にあててみるというのも、将来の稼ぎに繋がるのでオススメです。
道具にこだわりましょう
道具にはこだわることをお勧めします。
自転車稼働をするならどのような自転車で配達するのかという1つをとっても、モチベーション、効率、疲労度様々な面で大きな影響を与えます。
どのような仕事でも同じですよね。 道具の使い方がうまい人が成果を効率よく挙げています。
道具にこだわることがコスパよく稼ぐことにつながりますので、道具にこだわるようにしてください。
自己管理がとにかく大切
健康が崩れると稼ぎが落ちます。 生活リズムが狂うと稼ぎが落ちます。
事故を起こす可能性も上がりますし、稼ぎが得られず、心身ともに参ってしまうこともあります。
メンタル的に不安定になり万が一にでも注文者様にイライラをぶつけてしまうと、トラブルになり、アカウントが停止になることもあります。
身体こそが資本なのだという自覚の元に、とにかく自己管理を大切にすることを心がけましょう。
ここを成功させることができれば、9割がた本業として成功したも同然です。
まとめ
Uber Eats を本業とするという生き方もあります。
しかし、どのような仕事にもリスクはあります。
その部分を踏まえて、これからどう活動していくのかをイメージできるようになってから本業にするのかどうかを判断したほうがいいと思いますので、まずは副業感覚でUber Eats の配達員として登録して10件だけでも配達をしてみてから判断してみることをお勧めします。
実際に体験していない段階であれこれ判断するのは難しいものですからね。
まずは登録してみて、合わないな・・・と思ったら副業レベルに留めておいて、これは自分に合う!と思ったら本業にしてみるという考え方でいいんじゃないかな?と思います。
よければ参考にしてみてください。