某フードデリバリー配達員の備忘録

中年男性フーデリドライバーの独り言兼メモ

「ウーバーイーツ配達員の仕事、やめとけ」という意見に配達員として思う事

「ウーバーイーツの配達員の仕事はやめておけ」

そんなアドバイスを配達員をする際にされる方が多いようで、時々、商品の受け取り時に、まだ新人だろうなって思われる配達員から「もう歴は長いんですか?」という導入的質問に「4年ぐらいかな…」と答えると「やってみてどうですか?」と尋問のような質問攻めにあう事があります。

そこで、実はやめとけって言われていて…みたいなことを相談されることがあるのですが、実際、僕自身も「絶対にやれ!やり続けろ」とまでは思ってません。

個人のセーフティネット的にやっておいたほうが良いとは思うけど、何よりも優先してやるべきとは思いません。それはこんな理由からです。

「ウーバーイーツ配達員の仕事、やめとけ」と思う理由

思っているほど稼げない

この仕事、それほど稼げません。

1日単位で見れば多く稼げる日もありますし、地域によってはドンと稼げる地域(例えば東京)もある。でも、トータルで平均して見れば、それほど稼げない。

月換算で30万円を安定して稼ぐなら、人並み以上の体力がある人でも大量の時間を投下しなければいけないのが現実です。

この仕事を軸にすると生活設計が本当に難しくなるので、この仕事を軸にするのはオススメしない。

稼ぎが安定しないし昇給もしない

日によって稼ぎが違うし、今日は稼げるのかどうかが全く読めない。稼ぎが不安定すぎる上に、何年間が頑張ったら昇給するのかというと、そんなこともない。

なんなら運営側は理由をつけて少しでも報酬を下げたいという意思を感じるので、報酬が下がることはあっても上がることは期待できません。

ただただ時間と稼ぎを引き換えにするだけの仕事なので、目先のお金としてはありがたくても、長い目で見ると周囲と埋めがたい差が生まれていく。

実績やスキルが詰みあがらない

お金の面だけではなく、仕事を通して得られる経験値や知識という点でもあまりオススメできない仕事だと自分は思っている。

地理やお店の情報に多少詳しくはなるし、乗り物の知識も多少は身につくけど、だから?といったレベルにしかならない。他に活かせるような専門性は身につかない。

この仕事をクッションにして転職をしていくというケースは多くあるけど、この仕事の経験が生きているという人はなかなか見ない。

そういうことを踏まえても、長くやるべき仕事ではないと思っている。

事故リスク

この仕事は1日中運転する仕事でもあるので、とにかく事故リスクが高い。

こちらの不注意による事故もあれば、相手側の不注意の事故もあるし、怪我で済めばいいが、亡くなるケースがないわけでもない。実際過去に死亡事故は何件も起きている。

加えて、怪我をして入院となれば、保険でカバーができるとは言えその期間中の稼ぎは減るし、中には怪我の後遺症に苦しむこともある。

その割には稼ぎはそれほど多くはない。つまり割に合わない。

だから、長く続けるのは考え物だったりする。

将来も残る仕事とは思いにくい

この仕事がたとえば10年後も残っているのか?と問われると、おそらくNO。なんなら5年後すら怪しい。

なぜならロボットとAIによる自動配送システム構築に向けて、世界中の研究者が今日現在も鋭意研究中であるため。

個人的にはフードデリバリーロボットが公道を走る世界は想像しにくいけど、自動運転の自動車による配送なら十分にあり得ると思っている。

企業側も、文句を言わず、安定して稼働し続けてくれるロボット配送のほうが使い勝手がいいですし、利益にもつながりやすいですから、そちらにシフトしていくとも思われるので、この仕事を長く続けるのは賢明じゃないと思っている。

てなわけで・・・

3年以上この仕事をしている配達員としてフードデリバリーをオススメしない理由をピックアップしてみました。

「やめとけ」と言わんばかりのものは感じたかもしれませんが、今すぐに辞めろという意味ではありません。

今仕事がないならむしろやるべきだと思うし、本業がある人で副業を検討しているのなら、ぜひやってみては?とも思ってます。この仕事は、個人の仕事のセーフティネットとして活用するのが丁度いいと思っているためです。

稼ぎがあと少しほしいときに直ぐにできる仕事、今やっている仕事が辛くて仕方がないから辞めたいときに、決断を支えてくれる収入源として大いに役立つと思うのです。

ただ、本業として人生を支えるほどの安定感はこの仕事にはありません。

だから、長い目で見たときには「やめるべき」だと配達員目線でも思います。

 

当然最後に決断するのは本人だし、価値観は人の数だけあるのだから、これが正解なんてのは誰にもわからないんだけどね。

一個人の一意見としてそんな風に思います。