【田舎の怖さ】漫画「ガンニバル」の感想

視聴録

田舎育ちの人間だからなのか。

田舎を描いている漫画を読んだり映画を見たりすると、「あるある」や「あるかも・・・」と感じる自分が居ます。

例にもれず「ガンニバル」はそう感じれる漫画なのですが、この漫画は少し異色でして、田舎の怖い部分が切り取られて、焦点を当てて表現されています。

怖いものが好き、人間のドロッとしたものが好きって人にはオススメでもあり、寝る前に読むにはお勧めしない、そして、田舎を勘違いしない自信がある人に読んでみてほしい作品なのですが、そんなガニンニバルについて少し書かせてもらいます。

ネタばれはしないように書きますが(というか、まだ3巻までしか読んでないのですが)、勘のいい人は何を言っているのかピンとくると思います。

そこを踏まえて読み進めてください。

ガンニバルについて

ガンニバルというタイトル。
映画が好きな方なら「ハンニバル」を連想すると思いますが、その連想で大正解です。

この漫画が描いているのは、食人文化が残っているかもしれないある田舎の村について、です。

主人公はある過去を抱える警官。
その警官が赴任した先が、食人のうわさがある村。

そのうわさを半信半疑で居たが、事実なのでは・・・と疑い調査を進めていくというものです。

ガンニバルが描いている田舎の怖い部分2つのポイント+1

食人をテーマにしている漫画ですので、それはそれで不気味で怖いのです。

ただ、食人というテーマだけが怖さを醸し出しているのではなくて、それが田舎の村という閉鎖的な空間だということが怖いのです。

周りは全て味方のようで、実はすべてが敵かもしれない。

そんな疑心暗鬼の精神的な極限状態の中で黒幕を探し当てるという、なんとも気持ち悪い感触の漫画なのです。

少し具体的に書くとこんな感じです

1:一般社会のルールよりも大切な村の掟

僕たちは社会の中で生きていますが、その社会の中で生きていける理由は、そこに共通のルールがあるためだと思うのです。

「これをしてはいけない」と決められていることは、やはりしてはいけません。

それは法律だったり、マナーだったり、思いやりだったりするのですが、そのようなものを超越する掟のようなものがある地域。

それが漫画で描かれている村だったりします。

表面上は法律を守っているし、マナーも当然、なんなら思いやりもあるのだけど、それらの根拠は、村の掟を維持するため。そんな背景が見え隠れするのです。

食人文化は法で禁止されていますし、そもそも人を殺すことそのものが法的にアウトです。

でも、その文化を地域全体で守ろうとしていたら?

  • 食人文化を全員が口裏を合わせて否定する
  • 食人文化を探る動きをしないか監視する

そのような独自の社会が築かれている村についてがリアルに描かれています。

2:閉鎖性とそこで生きる覚悟

田舎や村社会を描く時には、「閉鎖性」は切っても切れないと思います。
実際に田舎育ちの僕からすると、田舎は閉鎖的だったな感じる部分もあります。

でも、その閉鎖的な空気感や価値観は、裏返すと、他の地域では生きていけない自覚だったりもします。

何かが変わると生きていけないかもしれないから、閉鎖的になって今を保存しようとする。そんな意識が地域全体に広がっているように感じるのが田舎だったりします。

だから、自分たちの生きている場所、生きていられる場所を守るしかない。

そんな使命感から、他所の人に対して閉鎖的で監視的になる部分があるのだと思います。
この漫画で描かれているのもまさにそういうところ。

食人文化が良しとされないことは分かっている。
でも、もしそれが明るみになると、自分たちは生きていけないという恐怖。

そして、食人文化を脈々と継いでいる一族はその地域を牛耳る一族なので、その一族に歯向かうこともまた生きていけないという現実。

だから、生きるためには、よそ者は徹底的に監視して、少しでも危険なら排除する。

そんな田舎の人が持つ弱さと、その反動によって生まれる強い決意みたいなものが描かれています。

+1:主人公の負けん気の強さが怖い

個人的には、主人公はなぜその村から逃げないのか・・・という部分がイマイチ理解できていません。

一応、家族のためにこの村の自然の中で生きていきたいという描写があるにはありましたが、たったそれだけの理由じゃ物足りないぐらいに危険な地域だと、途中で自覚しています。

主人公は嫁と子供も一緒に村に移住してきているので、その嫁と子供が危険な目に遭うことも想像されるわけです。

また、その村では死産が多すぎるということも分かっていたり、古くから伝わる祭りでは生きた子供を生贄にして差し出して食べていたということも分かってくるわけです。

なのに村に残る。
どう考えてもあんたの子供あぶないでって思うんですが、残るんですよ。

これは警察としての使命感云々ではなくて、ハッキリ言って、この主人公もある種のヤバいやつなんじゃないの?と思えてなりません。

毒をもって毒を制すという言葉もありますし、まあ、所詮漫画といえばそれまでかもしれませんが。

というわけで・・・

ガンニバルが超面白かったわけです。

現代にまだ食人文化が残っているとしたら、多分、こういう形なんだろうか・・・という視点で書かれていて、また、そういう忌々しい文化と田舎の閉鎖的な部分が相性がいい!

木を隠すなら森に隠せと言うように、やましい文化を隠すなら地域で隠すという事なのだと思います。

現在発売されている巻数や、話の展開などからして全10巻ぐらいで終わりそうな空気のある作品なので、全完結してから一気読みするのも一つの手かな・・・とか思っています。

いずれにしても田舎の怖い部分、ドロッとした部分を漫画で感じたいと思うのなら、ガンニバルは手に取ってみてほしい作品です。

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