マルチ商法
大人になると一度は出会う通過儀礼のようなものです。
できれば遭遇したくないって人も多いとは思いますが、それでも出会うものです。
僕も出会った事は当然ありますし、彼女が始めたので一度どんなものか味わってみるかと入ってみて、数か月で辞めて別れたという経験もあります。
そんなこんながあったお陰で色々と勉強になりました。
こんなビジネスはそう長くは続かないだろうと思いつつも、なんだかんだ残っているものですね。
だからか、Twitterを見ていると、マルチ商法にハマった友達を救いたい!ってツイートが流れてきます。
そのたびに思います。
その考え方だと、多分無理だろうな・・・て。
気持ちは分かるけど、頑張る方向としてそっちじゃないほうがいいのにな、と。
でも、そんな事は当事者はなかなか分からないし、一歩離れてみているから見えるって部分もあります。
そんなわけで、友達がマルチ商法にハマった時に考えてみてほしい事をちょっと書かせてもらいます。
まあ、簡単に言えば、友達とは何かという友達観を整えるほうがいいと思いますよって話になります。
マルチ商法にはまる友達と向き合う自分自身を変えよう
同じ力学での綱引きになるから上手くいかない
友達がマルチ商法にハマったから、抜けさせたい。辞めさせたい。
この考え方になる気持ちはわかりますが、本当に辞めさせたいし、抜けさしたいなら、放置することです。
抜けさせようとか、辞めさせようと直接的な行動を起こすほど、どんどん難しくなります。
なぜなら、どちらも”相手を変えたい”という想いで接しているからです。
- 友達はあなたを、あなたは友達を変えたい。でも、どちらも絶対に自分は変わらないと決めている。
綱引きをしているようなものですから、あなたがそうであるように、相手もあなたがかけた力と同じだけの力で反発してきます。
そして、最後は友達との縁を切るということになります。
互いに「あいつは変わった」「あいつは分かってくれない」という理由で。
そうなっても良いのならそれで良いのですが、友達を失くすことが不本意なら、そういう結末を避けたいはずです。
それなら、”相手を変えよう”という発想を変えるのが得策です。
自分の中の友達観を整える
そもそもの部分として、自分自身にとって友達とは何かを考える時期なのだと思うのです。
子供の友達付き合いなのか、大人の距離感の友達付き合いなのか。
それを理解するための通過儀礼がマルチ商法の勧誘なのだと僕は思っています。
そして、トラブルになるのは、子供同士の友達付き合いの感覚だからだと思うんです。
大人同士の友達付き合いなら、相手も大人、自分も大人なのですから、相手のやることは相手の責任、相手の自由だという割り切りができなければいけないと思うのです。
- 相手がそうしたいからそうしているのなら、それでいい。
- 応援できるなら応援するし、応援できないなら様子を見る。
- 上手くいったら喜び、失敗したら笑ってネタにする
そういうスタンスで接するのが大人同士の友達付き合いだと僕は思っています。
もちろん、違法行為をしようとしているなら止めるというものが入ってきますが、そういう自己判断ができない相手なら、友達付き合いそのものを考えるべきだと判断すべきという意味でも、自分自身の問題なのです。
好きな事は好きなようにさせるというのは、例えば、友達が好きになった人と付き合うとなった時の反応と同じです。
その人と付き合いたいと本人が選んだのなら、自分がその選んだ相手をどう思うのかなんて一切関係がありません。
上手くいってるならよかったねだし、別れたなら慰めて、励まして、最後は笑ってネタにしてやるぐらいの付き合い方をするはずです。
でも、自分自身と友達の距離感が変な感じになっていると、そこが難しくなります。
同一視するのを辞める時期
友達がマルチ商法にハマるのは困るから、辞めさせたい。
とても親切なようにも感じますが、裏を返すと、傲慢さも隠れていると思うんです。
「その友達は間違えている、マルチ商法をやらないほうが友達のためだ」そう信じてやまないという想いがあるわけですが、友達からすると、それをやるほうが人生は良くなるという想いがそこにあるからマルチ商法に惹かれたってことに他なりません。
マルチ商法をやるとあなたとの友達関係は終わるかもしれないと理解してそれを選んでいるのなら、マルチ商法をやってない状態が楽しくなかったというメッセージなのです。
まずそこを受け止める。
友達はマルチ商法をしてない頃は、常に不満を抱えていた。それに自分自身は気づけていたのか、変えるための行動は起こしていたのか、です。
そう自問自答して自分を変えるキッカケにしないと、友達が以前のような友達関係に戻りたいと思うことはないと思うんです。
マルチ商法ではうまくいかなかった、でも、あなたと友達になりたいとは思わない。
そんな結末になる可能性も十分にあり得ます。
もし、”その友達がマルチ商法をすることで、自分が困るから止めている”のだとしたら、それは友達のことを思ってない可能性もそこにはあります。
自分が時間を持て余すから、自分が行きたい場所に一緒にいく相手が居なくなるから、自分が寂しい時にそれを埋める相手がいなくなるから。
そういった理由で困るのなら、それは友達を思っているのでもないし、傲慢さが隠れていると僕は思います。
では、どうすればいいのかってなると・・・
- 友達がしたいようにさせる
- 応援したいならする、そうじゃないなら見守る
- 成功したら喜ぶ、失敗したらネタにして笑う
友達とそういうスタンスで接することができる自分になることだと思いますよ。
つまり・・・
知る限りでは、マルチ商法を始めても、1年後には80%ぐらいが辞めます。
籍だけ残っているけど、活動していない。そんな状態になるものです。
大抵の人はうまくいかないまま終わるビジネスなのです。
逆に言えば20%は辞めずに続けるし、その中のごくごくごく一部の成功者の部類に、友達が入る可能性もあります。
そのどんな結末になっても友達のままで居れることが本当の友達だと思います。
失敗した時に戻りやすいのかどうかは、友達をどれだけ肯定したのかが影響してきます。
否定しまくった人の所には、「ほら見ろ」とマウントを取られそうなので戻りたくないと思うはずです。
友達が変な男や変な女に惚れた時にどうするのかで想像してみるとわかりやすいと思います。
変な人と付き合いだしたな…と分かってても、とりあえずは好きにさせるのではないでしょうか?
一度や二度は止めはするけど、相手の人生だしなって感じで割り切るのではないでしょうか?
マルチ商法という変な人に友達は惚れてしまったんです。
痛い目にあったりするかもしれないけど、それは友達にとって欠かせない勉強の機会なので、それを奪うのは優しいようで優しくないんじゃないかな?と僕は思います。
そういったことも全て含めて「自分自身の友達観」を大人用にバージョンアップするための通過儀礼がマルチ商法に友達がハマったというイベントなのだと僕は思っていますよ。
何かの参考になれば幸いです。